「その銀髪(ぎんぱつ)超似合ってますね!てゆーかイケメン!」
ミモザカンパニーのデザイナー、相間(そうま) 香澄(かすみ)は蓮司のアトリエでテンションが上がっていた。
「お、いい反応。やっぱそうだよね?」
蓮司がにこにこしながら言うと、相間はうんうんと(うなず)いた。
「スミレちゃんとかノーリアクションでさ〜自信無くしちゃった。」
「………」
菫は二人のやりとりをしらけた目で見ていた。
「あーまあ、うちって社長もイケメンだし?川井さんも美人だから、基準がおかしくなっちゃってるんですよね〜!」
相間はハハッと笑った。
「顔は仕事に関係ないから!!」
菫が会話を終了させた。

この日は菫が相間を連れて蓮司のアトリエを訪れ、実際のデザインイメージのラフを見せることになっていた。
「…で、こんな感じでモチーフをテキスタイル風にすることもできて、これはこれでオシャレなんじゃないかな〜って個人的には思うんですけど、やっぱり原画の雰囲気そのままの方がパワーがあるし今っぽいなーと思います。」
相間が会社でプリントしてきたラフを広げて見せた。
「へぇ〜テキスタイル風とか自分じゃ絶対やらないからおもしろいかも。ノートの裏面とかこれにしたらいいじゃん。」
「それ絶対かわいい!」
菫が興奮気味に言うと、蓮司はクスッと笑った。