「それは知ってる。アンタが友達と共犯だってことも」

「じゃあ、なんで…」

「アンタのやり方が気に入らないから。さぞ見た目に自信があるんだろうけど、その自信に腹が立つ。もしアンタにとって恋愛が苦痛なものなら、うんと苦痛を味わえるようにしてやるわ。恋愛小説の世界に閉じ込めてやる」

そう言うと、魔女のような女は、闇に消えていった。

なんだか、本当に不気味な人だなぁ…。

でも、さっきの幻覚のようなものは、まるで恋愛小説の世界みたいだった。

…まさかね。

気を取り直して、私は車に乗り込むと、ユーロビートをガンガン流し、歌いながら帰宅した。