「J Kちゃん?」
気づいたらお姉さんがリビングに居た。
パジャマ姿で。
手にはマグカップ。
「あ、おはよう。お姉さん」
「おはよう……、顔色悪いけれど、大丈夫?」
あたしは自分の頬をさすって、
「気のせいじゃない?」
と、無理矢理に笑顔を作った。
「そ?」
「お姉さん、この部屋ってさ、何階?」
「え、何、急に。六階だよ?」
あたしはゾッとして。
慌ててソファーに座った。
「何よぅ、本当わかんない」
お姉さんはそう言って、マグカップの中身を飲み干した。
お姉さんが朝ご飯を食べて、あたしは隣でぼんやりとテレビを観ていた。
知らない情報番組。
知らない司会者。
途中のコーナーでお笑い芸人が登場して、流行りのネタを披露していたけれど。
(何が面白いんだ?)
時代の違いを痛感するだけの時間だった。
「J Kちゃん、やりたいこととかある?」
お姉さんが食べ終わったあと、食器を片付けながら聞いてきた。