ひとりぼっちのさくらんぼ


「……あたし、本当は死んでますよね?」



あたしは話題を変えた。

さっきからずっと尋ねたかったことに。



「なんでそう思うの?」



だって。

あたしの体。

ソファーに座っている感じが全然しないの。

感覚が無くなったみたいに。



お姉さんが出してくれた紅茶も、ティーカップを持つことができないから、飲めてはいないし。



仮に死んでいないとして。

タイムスリップしたっていうのが本当だったとして。

今のあたしみたいに、幽霊みたいな存在になるのかな?






ピンポーン……。



インターホンが鳴る音。

「ちょっと待っててね」と言ってお姉さんは玄関まで行き、ドアを開けた。



あたしも玄関までついて行く。



「上条さん、お荷物が届いています。……お名前、ご住所、お間違えはないでしょうか?」



配達員のお兄さんが、機械みたいに、流れるように一気に言った。



「はい」
と、お姉さん。



その時。