「後世に……」
あたしは面食らってしまう。
女子はハッとした様子を見せて、
「すみません。お時間を頂戴してしまいました」
と、返却手続きの作業をする。
「では、返却ありがとうございました」
そう言って頭を下げた彼女にあたしは、
「あの、相談してもいいですか?」
と、言っていた。
会ったばかりだけど。
この人なら何か解決策を教えてくれそう。
ううん、ただ、あたしが話したいだけかも。
この人、本当に本が好きなんだってわかったから。
女子はあたしをジッと見つめてから、
「そういうことでしたら、こちらにどうぞ」
と、手招きした。
「え、図書カウンターの中に行ってもいいの?」
「そのほうが私としても話しやすいので」
「あ、うん。それじゃ、遠慮なく」
図書カウンターの中に入った。
なんだか特別なものに仲間入り出来たような気分。
「それでご相談とは?」