ひとりぼっちのさくらんぼ


電車がもう来る。

あたしはお姉さんにまたニコッと笑顔を見せた。



それから、線路の中に戻る。






「J Kちゃん!?」

「お姉さんっ、あたし平成に帰るね!」



「やだっ、J Kちゃん!!逃げてっ!!」



お姉さんはあたしに手を伸ばす。



「逃げてぇっ!!」
と、叫びながら。




あたしは警笛の音が鳴り響く中。



お姉さんにこう叫んだ。









「生きてね!」











次の瞬間。

今まで感じたことがないくらいの。

強い強い、痛みが全身にかけめぐる。





お姉さんの泣き叫ぶ声が聞こえた気がした。




(大丈夫。お姉さんはもう、ひとりぼっちじゃないからね)




そう思ったのが最後。







あたしの世界は、真っ暗になった。