ひとりぼっちのさくらんぼ


あたしは日付を見た。



「去年の五月中旬……」

「きっと、この頃に振られたか何かで、腹いせにあんな嫌がらせみたいな書き込みをしたんだよ」
と、お姉さん。




書き込みの紙に視線を移す。

五月中旬なら、まだ書き込みの内容は可愛い感じの片想い、な内容だった。



(何度もツーショットを撮ってる人が、もしも妄想の書き込みをしていたとして、あんな書き込みをするのかな?)



会えて嬉しい、とか。

目が合って嬉しい、とか。



(そういう段階の妄想より、もう少し恋人気取りな内容になるんじゃないかな)



この人がどんな人かは知らないけれど、犯人の妄想の段階と日付が合わない気がして、あたしにはこの人が犯人だとは思えなかった。



お姉さんは、
「この人だよ」
と、なぜか確信している様子だったけれど。








土曜日の朝。

ベランダにすずめがやって来た。

手すりにとまって、チュンチュン鳴いている姿が可愛い。



(すずめには、あたしが見えるのかな?)



怖かったけれど、興味のほうが勝って。

そっとリビングからベランダに出てみる。

一、二歩くらいの、本当にすぐにリビングに帰ることが出来るくらいに。

そばにお姉さんがいないので、ベランダの戸を開けずに、通り抜けて出た。



「おーい、見えるー?」



声もかけてみたけれど、すずめは相変わらずチュンチュン鳴いて、(せわ)しく動いている。



「あんたにも見えないんだ」



残念な気持ちを抱えて、あたしはリビングに帰った。



ちょうどお姉さんが起きてきたので、あたしはお姉さんに気になっていたことを聞いてみることにした。