静かにキレられると、こっちはマジで怖いんですけど。
自分のことながらそう思いつつ、
「うん、そうだろうね」
と、一応言ってみた。
「『うん、そうだろうね』ーーー!?」
お姉さんが玄関の扉の鍵を閉めて、うつむきながら低くうなった。
「えっ」
「そうじゃないでしょ、何なの!?市原くんのあんな表情、初めて見たんですけどー!?」
「……えっ、うん。そうなんだ?」
「なんで、なんであんな表情させるの!?どんな目的で、あんなひどいこと書くんだろ!?」
(お姉さん、マジ切れしてるけれど、怒鳴りだしたよ)
「……お姉さん」
「何っ!?」
「あたしにも、SNS見せて。なんか解決策とかないか、ふたりで考えようよ」
「え」
お姉さんは明らかに戸惑った。
「大丈夫。あたしが読んでも、目覚めたら記憶って残らないんでしょ?すぐ忘れるからさ」
「……うん、わ、わかった。……ちょっと待ってて」
お姉さんはスマートフォンを手に取った。



