(市原さんは優しすぎる)
きっと書き込みをした相手のことで、自分が何かしたんじゃないかって、悩んでいるんだろうな。
どうしたら穏便に解決出来るのか、ずっと考えているんだろうな。
(もう、そういう問題じゃないのかもしれないよ)
あたしは市原さんに心の中で話しかけた。
市原さんはお姉さんが作った晩御飯を食べたら、あっさり帰ってしまった。
「泊まらないんだね」
と、玄関先で市原さんを見送るお姉さんの背中に話しかける。
「落ち込んでいるのかも」
と、お姉さんはこっちを見ないで答える。
(怒ってる……)
自分自身だから、わかる。
これ、相当怒ってる。
あたしがブチ切れたら、なぜか静かになるんだよね。
わーわー怒鳴っている段階は、まだ序の口って感じ。
黙りだしたら、本当マジで怒ってる。
「……J Kちゃん」
「は、はいっ」
「私、『超MM』の気分だわ」
「……お姉さん、それ死語……。あたしのいた時代でも、もう誰も言わないよ……」
「そんなことはどうでもいいんだよ、『超マジムカつく』気分なの。今の私の気持ちに一番近い言葉なの」



