「こんにちは。……上条さん、この人は岡村ミホさん。オレの趣味仲間。……ミホさん、上条 絵玲奈さん。昔からの友達なんです」
ミホさんは目を細めて笑って、
「上条さん、いらっしゃい!来てくれて嬉しいです」
と、お姉さんに手を差し出した。
お姉さんはミホさんと握手して、
「はじめまして。上条です」
と、頭を下げている。
ミホさんが置いていったメニュー表を手に取りながらお姉さんは、
「市原くん、趣味って?」
と、尋ねた。
「あぁ、オレ、趣味で野鳥観察クラブに入っているんだ」
「野鳥?」
「そう。月イチで社会人クラブの集まりがあるんだけど、ミホさんとミホさんの旦那さんの徹さん……、さっきのカウンターの中にいた男性なんだけど……、仲良くしてもらっているんだ」
お姉さんは興味深そうに、
「そうなんだ、野鳥……」
と、うなずいている。
「お店をしているって聞いて食べに来たら、すっごく美味しかったんだ。で、ちょくちょく来てて」



