ひとりぼっちのさくらんぼ


「あっ、ねぇJ Kちゃん、このガウチョパンツどう?」



お姉さんは雑誌を指差す。

見た感じスカートなのか、ズボンなのか、よくわからない洋服が載っている。



「……何それ、ガ……?パンツ?スカートじゃなくて?」

「ガウチョパンツ。ワイドパンツみたいな?でももっと幅広くてロングスカートに見えるよね」

「それならもう、ズボンじゃん」



「ズボン!!」



お姉さんが驚いた。



「え?ズボンだよね?」

「間違ってないよ、全然。懐かしい単語だっただけで」

「え!?ズボンって死語になんの!?何なの、未来!!ズボンはズボンじゃん!!」

「死語とまでは言わないかもだけど……。で、どう?コレ。あたし、こういうの持ってるよ。ここまで高価な物じゃないけれど」



お姉さんは寝室のクローゼットから、紺色の地に白いドットが散らばったガウチョパンツを持ってきて、私に見せる。



「うん。可愛いかもしれない。でもそれ穿くなら、上は?」



お姉さんは上機嫌に、
「実は秋のはじめに買っておいたざっくりセーターが二着あるんだ」
と手招きして、あたしを寝室につれて行く。