「ある意味、永遠だよ」
と、お姉さんは笑う。



「青春は、誰にとっても永遠だもん」



お姉さんはそう言って、ファッション雑誌をまたパラパラめくっていく。



(青春は、永遠……)



それは、なんだかわかる気がした。

お姉さんの言った意味とは違ったとしても。


お姉さんは今、まさに青春の最中(さなか)にいる気がする。



好きな人との連絡交換。

会う約束。

そのためのオシャレ。



(いくつになっても、青春してもいいんだ)



青春というものは、本当のところ、何のことなのかあたしにはわからない。

でも。

いつだって、ひっそりとそばにいて。

日々を彩ってくれるもののような気がした。





結局ファッション雑誌とにらめっこしつつ、何時間か経って。

お姉さんの土曜日のコーディネートは決まらず。



「ねぇ、デート服とか持ってないの?」
とあたしが尋ねると、
「持っているわけないじゃない。一体何年、恋愛していないと思う?」
という、恐ろしい答えが返ってきた。