「ごはんに行って、私、頑張ってリア充になる!!」

「『リア充』って、何?」

「え、うん。そうね、知らないよね。ごめん、ごめん。無意識だった。もう当たり前に使ってた言葉だったわ」



「リアルが充実している人っていう意味らしいよ」とお姉さんは言って、
「市原くんと一緒に居るだけで、その時間は充実するんだけど」
と、笑った。



「本当に好きなんだね」



ちょっと呆れたあたしの言葉にお姉さんは気づいたのか、
「ごめんね」
と、恥ずかしそうにうつむいた。



それから、
「たったひとりの、私の希望だから」
と、照れもせず言い切った。






お姉さんはスマートフォンの画面とにらめっこして。

メッセージを書いては、消して。

でも、とうとう市原さんに返信した。




「送れた?」



あたしが聞くと。

お姉さんはうなずいて、スマートフォンの画面を見せてくれた。