ひとりぼっちのさくらんぼ


「ふぅーん……?」
と、あたしは返事をしたけれど、
(そんなものかな?)
とも思った。



くだらなくなんかないように思える。

だって。

思い出話だって。

思い出に出来る日々があったからこそ出来る話だから。



(ひとりぼっちなだけの高校生活じゃないんだな)



そう思うと。

嬉しくなった。



高校三年生になったら。

市原さんとよく遊ぶんだ?



お姉さんは、もうあたしは市原さんを知っていると思っている。

もう知り合っているって。



でも、どんなに頑張って思い出そうとしても。

市原さんのことを、あたしは覚えていない。

知っているとも、思えない。



(なんで?)



なんで、市原さんのことはわからないんだろう?

抜け落ちたみたいに。

全く記憶に無い。






スマートフォンがまた振動した。



お姉さんが嬉しそうに画面を見つめる。



夜も遅くなってきて。

あたしは欠伸(あくび)が出てきた。