ひとりぼっちのさくらんぼ


映画も終盤。

主人公の警察官が、ついに謎を全て解いた。

伏線回収からの謎解きがお見事で。

エンドロールに流れる、原作者と脚本家の名前をチェックしてしまった。



その時、お姉さんがスマートフォンから顔をあげた。



「え、もう終わった!?」

「映画?終わったよ。面白かったー」

「わりとミステリーとか好きだもんね?面白かったなら、良かった」



お姉さんはテレビのリモコンを持ち上げて、ニュース番組にチャンネルを変えた。



「市原さんとのやり取り、うまくいっているの?」



あたしはお姉さんに向き直り、スマートフォンを指差した。



「うーん、くだらない話をしてる最中」

「くだらない話?」

「……あなたにとっては、未来の話かな。高三の時よく遊んだの、市原くんと。その思い出話に花が咲いている感じ」

「くだらなくないじゃん」



お姉さんは笑って、
「今現在の繋がりが薄いから、過去のことしか話が出来ないんだよ」
と、言った。