二度目の好きをもらえますか?

「……むぅ。結局それが言いたかっただけでしょっ。どうせ私はチビだもんね」

「いいじゃん、別に」

 百五十そこそこの身長を伸ばすつもりで背伸びをするが。賢ちゃんと目線が近くなるので、諦める。

「うん。別にいい……」

 多分目線が近かったら、この距離では並べない。

「ははっ、どっちなんだよ!」

 賢ちゃんは顔を崩して笑っていた。そんな彼を見ていると、私も自然と笑顔になる。

 つい数時間前まで避けられていたのが嘘みたいだ。

「……あのさ。学校でもそういう()の彩月を出せばいいんじゃねぇの?」

「……え?」

 脈絡なく振られた台詞なので、私は笑みを固めた。

「前に病院で言ってただろ。クラスのほら、武田や鈴城みたいなグループが羨ましいって」

「……。あぁ」

 男女の別なく、仲の良いグループの事だ。

「高二になったら、さすがに四年ときみたいな感じでいくのはイタいと思うけど。彩月だったらすぐに溶け込めるんじゃねぇの?」

「うーん……その根拠は?」

「……変わってるから?」

 おどけて言う賢ちゃんをジトっと横目で睨むが、悪びれなく笑うだけだ。