二度目の好きをもらえますか?

 賢ちゃんは笑っていた。眉を下げ、あははっと声を上げて笑っている。

 心臓の奥がギュッと絞られるように震えた。私は釣られて微笑みながらも曖昧に目を逸らした。

 賢ちゃんのこの笑顔が好きだ。

 いつも無愛想で、真顔か呆れ顔ばかりだからこそ、彼の笑顔が貴重で尊くて、私の目を釘付けにする。心が惹きつけられて離れない。

 賢ちゃんを好きだと思う気持ちが、風船みたいにどんどん膨らんでいく。ドキドキと鳴り続ける心拍は、さっきと比べると格段に脈を速めていた。

「……彩月は多分覚えてないと思うけどさ」

「っあ、う、うん。なに?」

 急に会話を振られて、ドギマギする。差し出された写真は貰ってもいいと判断して、今鞄に仕舞ったところだ。

 賢ちゃんは妙に改まった口調で続けた。

「俺、初めてお前に声かけられた時、何だコイツって思ったんだよな」

 は……?

「って、どういう事?」

 うん、と頷き、彼は無数の灯りを見つめて目を細めた。

「確か小三の二学期、だったかな。友達との帰り道でちょうど信号待ちしてたらさ、急に彩月が俺の名札を指差して言ったんだよ」