二度目の好きをもらえますか？

「……何が言いたいんだよ」

　それまで窓を見つめていた彼の視線が、ようやく私に届いた。

「あのね。大谷くんが私を好きだったのなんて、一時期の事だし、小学生だし、もはや思い出じゃん？　私、別に自意識過剰とかじゃないし、最初にも言ったけど勘違いなんてしてないよ？」

「……」

「だからさ、不自然に無視するのとかやめて。普通に話しようよ？　家も席もお隣りさんなんだからさ、普通に友達で良くない？」

　彼の目を見て真剣に告げると、彼は少し狼狽していた。目を見張り、眉を寄せ、どこか困っている風だ。

「私さ。実はさっき来てた男女のグループの子が羨ましいんだ。私は中学に入ってから特定の女子としか仲良くなれなくて、男子となんてほとんど喋った事ないから」

「………ふぅん」

　ペラペラと自分の事ばかりを話しているのは、若干恥ずかしくもあったが、彼がちゃんと聞いてくれているようで嬉しくなる。

　やっぱり無視されていたのが、自分の中では相当応えていたようだ。