二度目の好きをもらえますか?

「っうそぉ! すごいすごーいっ! 賢ちゃん天才っ!」

 鮮やかすぎる手腕に飛び跳ねて喜ぶと、彼が嬉しそうに顔を崩して笑う。

「ほら」

 獲得口から出した大きなぬいぐるみが私に差し出された。

「っあ、お金」

 慌ててリュックを下ろそうとすると、その手を止められて「バカか」と言われる。

「欲しかったんだろ、やるよ」

「……ありがとう」

「おう」

 ……賢ちゃんからの。プレゼント…。

 初めてのプレゼント。

 胸の奥がほわほわと温まる。可愛い黒猫を抱っこして、なんて名前を付けようか考えた。すぐそばでカシャ、とシャッター音が鳴った。

「うん?」

 スマホを私に向けた賢ちゃんが、「ほら」と言って、今撮ったばかりの写真を見せてくれる。

「景品ゲットの記念」

「んん? なんで私? そこは賢ちゃんと猫ちゃんでしょ」

「いいんだよ、可愛いいんだから」

 キョトンとしたまま、両目を瞬く。

 賢ちゃんはスマホをポケットに突っ込むと、どういうわけか私の手からヒョイと猫ちゃんを取り上げた。

 っあ。

「“清い”ってのが、どこまでを差すのか分かんないけどさ」

 取られた黒猫に釣られて顔を上げると、急に私の視界が賢ちゃんで埋め尽くされた。

 ……え。