ほのぼのとした喜びが体中に満ちて、どこか面映い気持ちになる。
「……いえ」
体の内側が温まり、細胞のひとつひとつが歓声をあげているようだった。
*
お昼前に帰宅した賢ちゃんから連絡が入った。家の前で待ち合わせて、私たちは駅に向かった。
屋内で楽しめるアミューズメント施設に行こうという話になって、まずはボーリングにトライする。
私の熱意もむなしく、上手く球を転がせずにガーターばかりへ吸い寄せられる。反対に、賢ちゃんはコントロールが抜群で白いピンをことごとく弾き飛ばした。
「すごい、すごーいっ!」
思わず手を叩いてジャンプすると、彼がどこか照れ臭そうに頬を掻いた。
私は絵に描いたような上機嫌で、賢ちゃんとのデートを楽しんだ。
「っあ! 賢ちゃんこれ見て! すごい可愛い!」
ボーリングを終えて、二階のゲームコーナーに立ち寄った時。私はプラスチックの壁にずいと顔を寄せ、中央に置かれたぬいぐるみを指差した。その少し上には二本のツメを持ったクレーンが静止している。
「どれ?」と言って彼の顔が私の隣りに並ぶ。近距離に頬が一瞬で熱くなる。
「……いえ」
体の内側が温まり、細胞のひとつひとつが歓声をあげているようだった。
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お昼前に帰宅した賢ちゃんから連絡が入った。家の前で待ち合わせて、私たちは駅に向かった。
屋内で楽しめるアミューズメント施設に行こうという話になって、まずはボーリングにトライする。
私の熱意もむなしく、上手く球を転がせずにガーターばかりへ吸い寄せられる。反対に、賢ちゃんはコントロールが抜群で白いピンをことごとく弾き飛ばした。
「すごい、すごーいっ!」
思わず手を叩いてジャンプすると、彼がどこか照れ臭そうに頬を掻いた。
私は絵に描いたような上機嫌で、賢ちゃんとのデートを楽しんだ。
「っあ! 賢ちゃんこれ見て! すごい可愛い!」
ボーリングを終えて、二階のゲームコーナーに立ち寄った時。私はプラスチックの壁にずいと顔を寄せ、中央に置かれたぬいぐるみを指差した。その少し上には二本のツメを持ったクレーンが静止している。
「どれ?」と言って彼の顔が私の隣りに並ぶ。近距離に頬が一瞬で熱くなる。



