二度目の好きをもらえますか?

「彩月ちゃんの明るさがきっといい影響を与えているのねぇ」

 ふふふ、と笑い、おばさんがコーヒーカップに口を付けた。

「やっぱり賢二には彩月ちゃんねー。彩月ちゃんが一番だわ」

「……あ。ありがとうございます」

 嬉しそうに言うおばさんを見ていると、なんだか照れ臭くなる。

 カレーには福神漬けが合うと言うように、賢ちゃんの隣りに私をピタリと合わせてくれるのが嬉しい。

 暫く何も話せずにジュースを飲んでいたのだが、ふとおばさんに話しておきたい事が思い浮かんだ。

「あの」と声を出すと、おばさんの優しい笑みがこっちを向く。

「バイクの、タイムリミットの事……。賢ちゃんから聞きました」

「……そう」

 おばさんは微笑んだままで眉を下げ、手にしたカップに目を落とした。

「車と違って、バイクが危ないというのは……親から教えられて。ちゃんと理解してます」

「……」

「でも……。賢ちゃんすごくバイクが好きなんです。バイクに乗る時すごいいい表情(かお)するし……」

「だから」と続け、若干の躊躇を呑み込んだ。