二度目の好きをもらえますか?


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 土曜の朝。部屋で着替えを済ませてから、出窓のロールスクリーンを上げた。

 ガラスで跳ね返った陽射しが視界を埋め尽くした。朝の光りで部屋はあっという間に白の世界へ早変わりする。

 私は出窓を開け、外の空気に触れた。今日も天気が良さそうだ。

 コンロに火が点くような音が弾け、耳に馴染んだ排気音が耳朶(じだ)を撫でた。そのまま下を見下ろすと、既にヘルメットを被り、バイクに跨る彼の姿が見えた。

「賢ちゃん!」

 私の呼び声に気付いて、彼が頭を上げた。

「今からどこか行くのー?」

「おう」と返事をして、パッとその手があがる。「ちょっと待って!」と続けてから、出窓の戸を閉めた。

 玄関で靴に足を捻じ込んでから、門扉まで駆ける。

「おはようっ」

 自然と口角が上がり、賢ちゃんのそばに走り寄る。

「また走りに行くの?」

「ああ、その辺をちょっとな」

「そか」

 短く返事をし、数歩距離を空けると、「彩月」と柔らかな声で呼ばれる。

「すぐ帰って来るからさ。あとでデートしよう」

「っうん!」

 賢ちゃんと休日デート!