二度目の好きをもらえますか?

「……それはつまり、私じゃつり合わないと?」

「いやいや、そんな事は」

 武田くんは悪びれなく笑うと、「じゃあな」と片手を上げて元のグループに戻って行った。女子三人、男子四人のグループだ。

「私さ」と不意に美鈴が声を上げた。

「大谷くんと付き合うのが、彩月ちゃんで良かったなって思ってる」

「……え」

「だって、彩月ちゃんいい子だし。一緒にいて楽しいし。大谷くんもきっと楽しいんだろうなって思うから」

 美鈴……。

 私が色々と頑張れたのは、美鈴の勇気が後押ししてくれたからだ。

 美鈴の方こそ、凄くいい子だと思う。

「ありがとう」

 私は美鈴を見つめ、喜びを頬に浮かべた。


 *

「お〜っ、小谷小谷、面白ぇ事教えてやるよ!」

「うん?」

「っばか、やめろって!」

 いつものように七人で集まり、空き教室でお弁当を食べていた。

 お箸で玉子焼きを切っていると、瀬川くんがハイテンションで走り寄ってきて、それを後ろから賢ちゃんが止めている。

「面白い事って何さ?」

「いや、あのな」と勿体つけてから瀬川くんが、クク、と笑った。

「賢二のやつ、俺が小谷を好きだって勘違いしててさっ、“もう俺のもんだから、手ぇ出すなよ”ってマジ顔で言っちゃってんの! ウケるだろ〜??」

 ……うーん。

「そうなんだ?」

 これは笑っていいところだろうか。判断に迷う。