二度目の好きをもらえますか?

 思わず呟いていた。

「車の免許が取れるからだろう」とお父さんが補足する。

「そうです」

 賢ちゃんが頷いた。

「賢二くん、誕生日はいつだい?」

「……あ、六月です。六月二日」

「なるほど。あと半年ちょっとは猶予があるという事か」

「はい」

 お父さんが手前のグラスに口を付けた。

 六月二日! 賢ちゃんの誕生日! これは絶対に覚えておかないとっ。

 私は箸を取り、トンカツのお皿に載った千切りキャベツを一本一本()り分けた。それを器用に取り皿へ移す。

 せっせと箸を動かす私を見て、お母さんだけが「ふふっ」と笑う。

「それじゃあ来年の夏休みあたりに、自動車免許を?」

「あ、はい。そのつもりです」

「……うん、そうか」

 あの、それで、と若干声を上擦らせ、賢ちゃんがお父さんをジッと見る。

「車を運転できるようになったら、彩月さんを助手席(となり)に乗せてもいいですか?」

 お父さんはすぐには答えなかった。お母さんは口を結んだままで、隣りに目を向けた。判断をお父さんに任せている。

「ああ、構わない」