二度目の好きをもらえますか?


 *

 花織さんが落ち着くのを待ってから、賢ちゃんが彼女の携帯を借りて電話を掛けていた。彼女の親に事情を説明し、(ここ)まで迎えに来てもらうように頼んでいた。

 その間、彼女を一人にはできないので駅員室へと付き添い、そこで待たせてもらえるようにお願いをした。事の次第を説明し、親が迎えに来るのでと話すと、駅員さんは快く承諾してくれた。

「じゃあな、花織」

 賢ちゃんの優しい声を聞き、彼女は目を合わせずに頷いた。駅員室の丸椅子に座りながら、視線は手の中のスマホを見ていた。

 部屋を出る間際、「ありがとう」と彼女が呟いた。私と賢ちゃんが同時に振り返ると、彼女は依然としてスマホを見たままでポソっと言った。

「来てくれて……嬉しかった」

 ……あ。

 思わず彼の表情を盗み見てしまう。賢ちゃんは花織さんを見て、穏やかに微笑んでいた。

 駅員室を出てから急に"親"と思い出した。私は首を振って掛け時計を探した。

 っげ! 門限過ぎてる!

長針と短針は六時五十分を指していた。

「け、賢ちゃん、ごめん。スマホちょっと借りても良い?」

「え、ああ……」