二度目の好きをもらえますか?

 賢ちゃんには好きな人がいる。もはや失恋の可能性しかないと思うけど、この恋心だけはちゃんと意思表示したい。

 何もできずにそのまま捨てるのは、もう嫌だ。

 通話の切れたスマホを枕元に置き、ハァ、とため息をついた。

 そもそも何で……

 バイクに乗せてくれないんだろう?

 彼女ができたんじゃなければ、何で……。

 *

 シンと音の消えた暗闇で、意図せず目が開いた。

 ごろりと寝返りを打ち、天井に付いた丸い電気を見上げる。豆電球のオレンジ色が淡く周囲を照らしている。どうやらあのまま寝ていたようだ。

 電気。お母さんが消してくれたんだ。

 眠気を帯びたあくびをし、片手だけで枕元を探った。指先に当たった携帯を掴み、待ち受けから時刻を確認する。もう十一時を過ぎていた。

 念のためトイレに降りてから、もう一度寝ようと決めてベッドから離れる。

 自室のドアを開けると、階下からお父さんとお母さんの声が聞こえてきて、今し方お父さんが帰宅したのだと分かった。

 お父さん、今日こんなに遅かったんだ。毎日大変だなぁ……。