二度目の好きをもらえますか?

 私は瀬川くんのそばにしゃがみ込み、いけないと思いつつも聞き耳を立てた。

 少しの沈黙を経て、彼の湿った声が風に乗って流れてきた。

「気持ちは……嬉しいんだけどさ」

「……うん」

「ごめん、俺好きなやついるから」

「それって。この間正門に来てた他校の子……?」

 自然と心と体が固くなる。

 私が悶々と頭を悩ませていた問いの答えだ。

 私は強く唇を結び、できるだけ聴覚に意識を寄せた。

「……ごめん」

 しかしながら、賢ちゃんは明白な答えを出さなかった。

 ううん、と美鈴が首を振る。

「別にいいの。大谷くんモテるし、振られるのは想定内」

「……」

「だから。明日からも、友達ではいて欲しい、かな」

「分かった」

 それじゃあ、と力ない笑みを見せて、先に美鈴が来た道を戻る。俯いて歩く小さな背中を見ると、途端に心苦しくなった。

 美鈴は凄い。

 自分の恋を、ちゃんとあるべき方向へ導いて、決して迷子にはさせていない。

 その点、私はどうだろう。

 告白なんてした事がないからできない。

 告白なんてしたら今の友達関係も終わってしまう。

 どうせ私はヘタレだから。