二度目の好きをもらえますか?

 ふと顔を上げた時、それが目に付いた。正門前にちょっとした人だかりができている。

 何だろう?

 向かって左側の門柱に他学年の男子が数人寄り集まり、その中の一人に絡んでいた。
 よくよく見ると、絡まれて質問攻めにされているのは、他校の制服を着た女子だ。

 ちょうど私の前を歩いていた彼が足を止める。

「あれ? 賢二?」

 たわいない話をしながら歩いていた瀬川くんと高山くんが、急に立ち止まった賢ちゃんを不思議そうに見やる。

 私は賢ちゃんの隣りに並んだ。彼の目線は振り返る彼らを通り越し、門柱に張り付いている。

「……っ、賢二っ!」

 そこからはまるでスローモーションのようだった。

 数人の男子に囲まれていた女子が、突然声を上げて駆け出した。

 緩くウェーブがかった髪をふわりと風に乗せ、彼女の顔立ちが露わになる。ぱっちりとした大きな瞳に小さな鼻、潤いのある赤い唇。
 小顔で色白で、可愛いという形容詞がピタリと当てはまる。

 彼女が伸ばした両手は賢ちゃんの制服をしっかりと掴み、勢いよく抱きついていた。

 ーーっえ。

 何がなんだか分からずに、私は隣りで起こった光景を食い入るように見ていた。