生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 あの人って確か、バスケ部の副キャプテンさん……。

 空き教室の椅子に浅く座っていて、ぼんやりとしている様子の副キャプテンさんの姿を捉える。

 さっきは講堂にいたのに、どうしてここにいるんだろう?

 一時はそう考えたけれど、きっと副キャプテンさんには副キャプテンさんなりの考えがあるんだろう。

 初対面の私が話しかけるのもどうかと思うし、離れたほうが良いかな。

 こんな人気のなさそうなところにいるって事は、人と関わりたくないからなのかもしれないし。

 自己完結し、そっとその場を離れようと体を動かす。

 だけれど一歩動こうとした瞬間、ある考えが脳裏を駆け巡った。

 もしここで副キャプテンさんに道を聞かないと、一生講堂に戻れないかも……。

 近くには地図らしきものもないし、スマホはさっき見たけれど充電がほぼなかった。

 つまり、いつ切れるか分からない。

 どうして充電くらいしなかったのかと、昨日の自分を恨みたくなる。

 副キャプテンさんに聞いてみても良いのか、でも迷惑じゃ……そんな葛藤が、脳内で行われる。