生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 恥ずかしくなって頭が回らなくなって、逃げるようにマンションの中に駆け込んだ。

 いつもより速足で、急ぐそうに自分の部屋に入る。

 その間も、ドキドキは鳴りやまなかった。

 パタンと部屋の扉を閉めて、その場に座りこむ。

「何でこんな、ドキドキして……っ。」

 さっきの暁槻君を思い出して、また赤くなる。

 ……だけど、違和感を感じてしまった。

『良かったよ。』

 あの言葉に嘘はないと思うけれど……あの瞳、は……。

 ――“私”に、向けられていないような気がした。

「……って、何考えてるんだろう。」

 そこまで考えて、急いで払拭するように首を振る。

 私に向けられてない……どうしてそう思うのかは、分からないけれど。

 ……何だか、悲しくなった。



 翌日、いつもの如く暁槻君と登校をする。

 毎日の事だから少しは慣れてしまったけれど、昨日の気持ちが何なのか分からなくてもやもやしている。

「おはよう、京都さん。」

 でも、暁槻君はいつも通りだから……気にしないようにしよう。