「明日は姉妹校との交流だ。忘れ物がないように、遅れないように来るんだぞ。」

 そう言って先生は、栞を配ってから教室を出て行ってしまった。

 そっか、そういえばそんなものあったなぁ……。

 この学校には姉妹校が同じ地域にあって、年に一度交流会がある。

 内容は自分の学校のPRや生徒同士の交流がメイン、らしい……。

 どんな事をするのかは、分からないけれど。

 今年は向こうの学校に行くらしく、いつもより早めに学校に来ないといけない。

 朝、起きれるかなぁ……。

 だけどそれ以上に、気になる事があった。

「り、立夏ちゃん……。」

「どうしたの、咲桜。」

「み、みんな何だかすっごく意気込んでる気がするんですけれど……。」

 そう、栞を配られた時からクラスメイトがざわざわしていた。

 それが気になって、栞を読むのに集中できない。

 純粋に疑問に思い、こういうのに強い立夏ちゃんに聞いてみる。

 私がそう言うと、立夏ちゃんは呆れたように息を吐いてみせた。

「あー……確かに、やけに落ち着きがないわね。多分、明日の交流会でイケメンや美女をゲットしたい人が多いんでしょ?」