生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 別に嫌だって思うわけじゃないけれど、考えてしまう。

 ……暁槻君は、読めない人だと。

 最初に会った時からそんな感じの人。なんだけど、関われば関わるほどよく分からない。

 どうすれば、もっと彼のことを知れるのか……ずっと悩んでいる気がする。

「あっ、ごめん咲桜。あたし今日委員会の集まりがあるんだったわ、行ってくるわね!」

「わ、分かりましたっ……!」

 すっかり忘れていたようで、ペンケースを持って急いで教室を出て行った立夏ちゃん。

 無事間に合いますように……と、心の中で祈る。

 だけど、そのせいで一人になっちゃったなぁ……。

 いつも立夏ちゃんとお昼を過ごしているから、何だか寂しい。

 ……あっ、そうだ。

 その時、良い場所がある事を思い出して席を立った。



 お弁当箱を持って私が来た場所は、誰も近づかない旧校舎の裏庭。

 この学校には私たちが今使っている新校舎の隣に、使われなくなった旧校舎がそのまま残っている。

 理事長が旧校舎を壊したくないらしく、今の生徒さんにも触れてもらいたいという事で旧校舎には鍵がかかっていない。