生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 可愛いなぁ……。

 喉を鳴らしている猫を触ろうと、体を屈める。

 けれど……暁槻君に防がれた。

「京都さん、この場所……覚えてないかな?」

「え……?」

 覚えてない、か……?

 言われている意味が理解できず、素っ頓狂な声を上げる。

 何でそんな事、暁槻君が聞いてくるの……?

 しかも、意味が全く分からない。

「覚えてないも何も……暁槻君の言ってる意味が分かりません。どういう意味なんですか……?」

「……っ。まだ、か。」

 思っていた事をそのまま伝えると、暁槻君ははっと我に返ったように何かを呟いた。

 何かは聞こえなかったけれど、深入りはしないでおこう。

 でも何だか、暁槻君の様子がおかしい気がする。

 この湖を見た時も変だったし、さっきの質問だってどういう意図で言ってきたのかさっぱりだ。

 ……もしかすると、暁槻君は疲れているのかもしれない。

 何故かそんな結論に至り、暁槻君の額に手を当てようと背伸びをする。

 その時、地面がぬかるんでいたせいで足を滑らせてしまった。