生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 そこまで考えたところで、近くから自動ドアが開く音が聞こえた。

 その音に反応するように顔を動かすと、マンションから京都さんが出てくるところだった。

 良かった、まだ学校に行ってなくて。

 京都さんが学校に行く時間なんて知らないから、数十分前から待ち伏せしてた。

 傍から見たら、俺ってストーカーみたいだなぁ……あはは。

 自嘲しながら、京都さんに声をかける。

「京都さん、おはよう。」

「あ……暁槻君、お、おはようございます……。」

 相変わらず、敬語のままの京都さん。

 本当なら敬語を外してほしいと思うけど、この喋り方も桜華そっくり。

『埜雅さんっ……!』

 さん付けして呼んでくれた桜華の姿がよぎり、口角をこっそり上げる。

 けれど、京都さんが桜華だって物的証拠はない。

 ただ……京都さんに桜華の記憶があれば、確かなんだけど。

 一人でぐるぐると考えるも、今は咲桜なんだから。

 咲桜として接しないと、ダメだよね。

「じゃあ行こうか。」

「は、はい……。」