生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 でもたまに、この記憶がなければとも思う。

 俺は暁槻雅という人間で生きているんだから、埜雅の記憶があるのなら邪魔じゃないのかと。

 そう考えても、どうにもならないけど。

 だけど京都さん……桜華は違うんだから。

 まだ、桜華の生まれ変わりが京都さんって言う決定的な証拠はない。

 もしかすると、桜華の生まれ変わりじゃないかもしれない。

 それでも彼女からは、桜華の面影しか感じられない。

 だから俺は、京都さんにとびきり優しくしたいと思っている。

 もちろん、桜華としてじゃなく咲桜として。

 あわよくば、桜華の記憶があるなら思い出してほしいけど……そこまでは望まない。

 現世で、桜華がいてくれるならそれで……。

 ……って、ダメだ。これじゃあ、俺がまるで桜華にしか興味がないみたいじゃないか。

 実際のところそうだけど、今は桜華じゃなく咲桜なんだから。

 少しでも気を抜けば、京都さんをどこかに閉じ込めてしまいそうになる。

 そんな事流石にしない……つもりだけど、我慢が利かなくなったらするかもしれないなぁ。