「ありがとう、おかげで今後困りそうにないよ。」

「それは良かったです。」

 校舎案内も一通り終わり、二人で昇降口に向かう。

 とりあえず、無事に案内する事ができた……。

 一時はどうなるかと心配だったけれど、意外とできるものなんだ。

 靴を履き替え、校門のところで一足先に帰ろうとする。

 もう外は真っ暗だから、早く帰らなくちゃ……!

 一人暮らしだから何も心配する事はない……でも、暗いのは怖いから……!

「京都さん、もう外は暗いし送るよ。」

 踵を返し、速足で帰ろうとする。

 その時、暁槻君がそんな提案をしてくれた。

 そ、それは嬉しいけど……。

「それじゃあ、暁槻君が帰るの遅くなっちゃいますよ?」

「別に俺は良いんだ。女の子一人で、この暗闇の中帰らせるわけにはいかないし。」

 私のせいで、暁槻君が遅くなるのは嫌だっ……。

 一人で帰るのは心細いけれど、これくらいなら頑張れる。

 そう決意したのに、暁槻君はあっさりとそう口にしてしまった。

「で、でも……」