「今日ね、このクラスにめっっっちゃイケメンの転校生が来るらしいのよ!それを知らないって……どれだけ鈍感なのよ。」

「そ、そうなんですね……。」

 す、凄い気迫……。

 立夏ちゃんの語気が強すぎて、一瞬硬直してしまう。

 だけど、こんなに美人さんの立夏ちゃんが言うんだったら、相当の人なんだろう。

 男の人との関わりはほとんどないって言って良いから、そこまで興味はないけれど……。

 ここまで言うのなら、きっと楽しみにしてるんだろうなぁ……。

 けれど、有名企業の人が転校生として来るって事だよね?

 有名企業はたくさんあるから、どこの企業の人なのかは見当がつかない。

 もしかして、あの企業かな……?

「お前らー、自分の席につけー!」

 ふっと一つの可能性が頭に浮かんできた時、先生が教室内に入ってきた。

 クラスメイトはその瞬間、キラキラと輝いた瞳で先生のことを見つめだした。

 み、みんな転校生が誰なのか気になるんだね……す、凄い……。

 知らない人にここまで興味が持てるなんて、みんなフレンドリーな人なんだなぁ……。