生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 それだけは何としても……避けなければ。

 そう思った時、少し離れたところに一つの人影を見つけた。

 ……あの子、だよねっ?

 女の子のお兄さんだと思われる子を目にして、早足で人影の元に向かう。

「大丈夫っ……!?」

「だ、だれ……?」

 大きな声を上げたからか、人影は驚いたように肩を揺らした。

 近くに行けば行くほど、その姿が鮮明になる。

 多分この子が、あの女の子のお兄さんだ。

 小学生くらいの彼と同じ目線になり、私は彼の手を掴んだ。

「早くここから出ようっ……!今ならまだ、間に合うから……!」

「う、うんっ……!」

 彼は動揺しながらも、私の手を握り返し立ってくれた。

 持っていたのか口元にハンカチを当てながら、私の後をついてくる彼。

 火の手は大分迫っているけれど、これくらいなら逃げれる範囲だ。

 足元に気を付けながら、出口を求めて走る。

 ……その時、だ。

「……っ、先に行って!」

 私は焦り気味に彼の背中を押し、出口に先に出させる。

「お姉さんっ……!」