生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 焦ったように叫んで止めてくれる声に、一瞬だけ意識を向ける。

 そりゃあ……私だって、危険だって分かっている。

 怖いし、お兄さんを助けられる確証もない。

 消防隊員が来てくれるのを待つのが一番だと思うけれど……それじゃあ、遅すぎる。

 今助けなきゃ、死ぬかもしれない……っ。

「私は大丈夫です。その子を見ててください、お願いします。」

 大人がいるから、彼女の安全は保障されているだろう。

 なら私は……ちゃんと、彼女との約束を守らないといけない。

 絶対、お兄さんだけは助けて見せる……!

 変な正義感を振りかざし、私は急いで火の中に飛び込んだ。



 袖で煙を吸い込まないようにしながら、急ぎ足でお兄さんを探す。

 思いの外火の勢いが強く、全身に熱気を感じる。

 火の粉が肌に当たって、熱いなんて思う。

 けれどそんな事言っている暇なんて到底なくて、私はお構いなしにくまなく探した。

 どこに、いるんだろうか……。

 早く見つけなきゃ、助け出す事ができなくなってしまう。