雅君を避けだしてから、一週間が経つ。

 だけれどやっぱり、私の心にはぽっかりと穴が開いたような感覚が残っている。

 雅君と距離を取れば少しは忘れられると思っていたのに……余計、忘れられなくなっている。

 私の心を支配しているのは、間違いなく雅君だ。

 だから少しでも……と思っていたけれど、意味がなかった。

 一人の帰路を歩いて、無意識のうちにため息を吐く。

 そういえば立夏ちゃん、今日は珍しく教室に残っていたような……。

 今日も早めに学校を飛び出したから、もしかしたら違うかもしれないけれど……。

 いつもはすぐに教室を出て行ってしまう立夏ちゃんだから、何かあったのかなと心配になる。

 明日、聞いてみようかな……。

 違うのなら違うで安心できるし、本人に直接訪ねたほうが早い気がする。

 ぼんやりとした頭で考え、視線を不意に下に向ける。

 地面には、いつもと変わらない灰色のアスファルトがある。

 空は嫌というほどの快晴で、私のもやもやした心とは相反したものだった。