生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 だけど、咲桜に対する思いは人一倍強いんだ。

 こんなに執着しているからこそ、すぐに見つける事ができた。

 俺は――咲桜を愛しているから。

 自分の気持ちを全て曝け出した俺に、目の前のこいつは乾いた笑みを漏らした。

「そっかぁ。お殿様の熱意は確かに伝わってきたよ。くれぐれも、咲桜ちゃんを俺に取られないように頑張ってね。」

 感情がこもっているのかどうかわからない笑みを張り付け、そいつは出ていった。

 その瞬間、大きな息を吐く。

 面倒な奴に会ってしまって、時間を食った。

 正直言うと、あいつは邪魔だ。恋敵にしても、咲桜に異様すぎるくらい執心している。

 くそっ……最悪だ。

 あいつに関して知っている事は、異常な執着心を隠している事だけ。

 だからあいつは、面倒なんだ。

 まさか現世で、前世と似たような状況を体験するとは思ってなかったな……。

 しかもあいつも記憶を持っているって事は……もしかすると、咲桜にも桜華としての記憶が戻ってくるかもしれないという事だ。