生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

「お殿様はまだ、桜華ちゃんのことばかりを考えてるくせに？」

　……っ。

「どういう、事だ。」

「そのまんまの意味だよ。お殿様は咲桜ちゃんを追ってるわけじゃない、前世の桜華ちゃんばかりに囚われて咲桜ちゃんを追ってる。そんなの、記憶を取り戻してない咲桜ちゃんからしたら、苦痛しかないでしょ。だから、同じ過ちを繰り返しちゃうんでしょ？馬鹿だよね、お殿様も。」

　震える声で尋ねて、帰ってきた言葉はそんなものだった。

　……こいつにそう言われる筋合いなんか、ない。

　だって、俺は――。

「俺は咲桜ちゃんに一目惚れしてから記憶を取り戻したから。俺のほうが、咲桜ちゃんに対する熱意は強い――」

「な訳ないだろ。俺は前世からずっとあいつだけを愛している。桜華でも咲桜でもなく、あいつを一人の人間として愛しているんだ。こんな執着心があるから、あいつを現世でも見つけられた。俺は何度でも、好きになってもらえるように頑張るだけだ。」

　確かに俺は、咲桜に桜華の面影を追っていた。それは本当の事だろう。