生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

　だけれど二人とも、めいっぱい私に優しくしてくれた。愛して、くれていた。

　両親からの愛情“だけ”しか私は分からないから、両親と立夏ちゃん以外の優しさに触れる事は今までなかったんだ。

　だから……雅君の優しさ全てが、私に沁みてしまう。

「雅君のこと好きって、分かっちゃったから……でも私じゃ、雅君に好きになってもらえるわけないって、分かってるから……頑張って、諦めたいけれど――」

　「諦められない。」そう言おうと、ぎこちなく口を動かした時だった。

「咲桜が諦める必要はないわ。悪いのは全部、暁槻なんだから。」

　立夏ちゃんは気遣ってくれているのか、そんな事を口に出す。

　遮られるように言われたものに一瞬言葉を呑むけれど、再び私は口を開いた。

「でもっ……私が勝手に期待して、勘違いしていたから……。だから私は、諦めなきゃいけないんですっ……！」

　前世で雅君が好きになった人に、私はなれない。

　例え彼に気持ちを伝えて付き合っても、私自身を見てくれないと……虚しいだけ。

　私が諦めたほうがきっと雅君の為にもなるだろうし、これ以上悲しい思いをしなくて済むから……。