生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 ……もう、遅いけれど。

 私を、私の前世の人に重ねているだけ。

 ただ……それだけ、なんだ。

 私には、前世なんかないのに……っ。

 そんな考えに至ってしまえば、涙なんか自制が効かない。

 とめどなく零れる涙に、今の気持ちが反映されているみたい。

 気付いてしまった。自分の気持ちを、理解してしまった。

 ――私は、雅君が好きっ……。

 変な人だって思ってたけれど、いつの間にか惹かれていた。

 暁槻雅、という一人の男の人に惹かれていた。

 だけどもう……この気持ちは言えない。

 雅君は私自身を好きになったわけじゃ、ないから……っ。

 ここにいるのが辛くなり、手の力が一瞬緩んだ隙に雅君の胸板を押す。

「私は、雅君が好きな前世の人にはなれませんっ……!もう、私に関わらないで、ください……。」

 吐き捨てるようにそう言って、速足で教室を出る。

 足元に置いていたスクールバッグを手に取り、無我夢中で走る。

 雅君に追いつかれないように、見られないように。

 息が続かなくなっても、胸の苦しみのほうがよっぽど辛いから感じない。