その時に、雅君から衝撃的な事を言われた。

「咲桜……俺は君のことが、前世から好き。」

 …………え?

「ぜん、せ……?」

「そう、俺はずっと咲桜しか見てない。だからあの男の告白なんか無視して。俺のことだけ、見てほしい。」

 いきなりのカミングアウトに、開いた口が塞がらなくなる。

 だって……信じ、られない。

 前世って、前の人生の事だよね……?

 もしかして雅君には、前世があるの……?

 不思議に、でも本当だと信じてしまいそうになる。

 それを決定づけたのが、雅君の熱のこもった視線。

 本当だと訴えているように、不安だと言っているように揺れている瞳。

 ……その瞬間に、私はある事に気付いてしまった。

 いろいろな感情が入り混じった、不安定な雅君の瞳の中。

 その中に……目を背けたくなるような、視線が混じっていた。

「みやび、くんは……私のことが前世から好きだから、仲良くしてくれたんですか?」

「え?」

 何も分からない、そう言う表情の雅君は私の気持なんか分かってない。