手は拘束されているせいで、身動きしようにも難しくてできなさそうだ。

 それに……力が強くなってきているから、余計に動けない。

 とりあえず、何でこんな事をしているのか聞かないと。

 冷静さがまだ残っている頭で、そう考えて口を動かす。

「み、みやび、くんっ……何で、こんなっ……」

「それはこっちのセリフ。どうしてあの男に抱きしめられてたの?」

 ……っ、な、に。

 やっぱり、いつもの飄々とした雅君じゃ、ない……。

 そう気付いて、震えている唇を閉じる。

 オーラがいつもと違いすぎて、何も言えなくなった。

 言葉が喉につっかえているようで、上手く言葉に表せない。

 雅君はそんな状態の私を無視し、一方的に言葉を発してくる。

「告白も、されてたよね?というか、何であの男と二人だったの?帰ったんじゃなかったの?」

 マシンガントークとも呼べる言葉責めに、じわっと涙が視界の端に滲む。

 泣いちゃダメ、こんなところで泣いちゃ思考が余計にまとまらなくなる。

 何とか踏み止まり、涙を零さないように下唇を噛み締める。