「暁槻、咲桜見てない?」
「京都さん……?見てないけど……。」
「はぁ……あの子ったら、どこ行ったのかしら。」
気持ちの境目が明確になったのは、姉妹校との交流会だった。
その時間は生徒同士の他愛ない交流が許されていて、俺は適当に愛想を振りまいていた。
本当ならば、京都さんのところに行きたい。
だけどそれでまた警戒されでもしたら、どうしようもない。
それにここじゃなくても下校時でも学校でもいつでも会えるんだから、焦らなくてもいいと思っていた。
でもそれは……杠葉さんの言葉によって崩された。
「どうしたの、杠葉さん。そんなに慌てて。」
いつもなら俺と会話をするのも嫌がる杠葉さん……なのに、今は凄く焦っているように見える。
俺に話しかけるのも、厭わないくらいの。
冷静な彼女が取り乱すだなんてらしくなく、興味本位で尋ねる。
そうすると間髪入れずに、早口で教えてくれた。
「咲桜がどこに行っても見つからないのよ。本当はあたしと行動するつもりだったけど、黎高の知り合いに話しかけられて時間食って。そこから探してみたら、咲桜を見失ったってわけよ。あんた、どこにいるか知らないの?」
「京都さん……?見てないけど……。」
「はぁ……あの子ったら、どこ行ったのかしら。」
気持ちの境目が明確になったのは、姉妹校との交流会だった。
その時間は生徒同士の他愛ない交流が許されていて、俺は適当に愛想を振りまいていた。
本当ならば、京都さんのところに行きたい。
だけどそれでまた警戒されでもしたら、どうしようもない。
それにここじゃなくても下校時でも学校でもいつでも会えるんだから、焦らなくてもいいと思っていた。
でもそれは……杠葉さんの言葉によって崩された。
「どうしたの、杠葉さん。そんなに慌てて。」
いつもなら俺と会話をするのも嫌がる杠葉さん……なのに、今は凄く焦っているように見える。
俺に話しかけるのも、厭わないくらいの。
冷静な彼女が取り乱すだなんてらしくなく、興味本位で尋ねる。
そうすると間髪入れずに、早口で教えてくれた。
「咲桜がどこに行っても見つからないのよ。本当はあたしと行動するつもりだったけど、黎高の知り合いに話しかけられて時間食って。そこから探してみたら、咲桜を見失ったってわけよ。あんた、どこにいるか知らないの?」