生まれ変わっても絶対、君しか愛さない。

 呆れたように吐き出した立夏ちゃんは、面倒そうに大きなため息を吐いていた。

 すると暁槻君は観念したように、私を解放してくれた。

「……分かったよ。喧嘩売ろうして悪かったですね。京都さん、行こう。」

「へっ……!?」

「あ!暁槻、あたしの咲桜を連れていくんじゃないわよ~!」

 だけれどその代わりに強引に腕を引かれ、講堂内へと連れていかれる。

 その後に立夏ちゃんも追いかけてきて、すぐに腕は離してもらえた。

「……暁槻雅、だよね。あいつで確定、か。」

 私たちが去った後の廊下で、拓海先輩が呟いた言葉は届かなかった。



 姉妹校との交流も終わり、学校へと帰ってきた。

 何事もなかったわけじゃないけれど、凄く楽しかったから結果オーライかな。

 独り言のように口の中で呟いて、午後の授業をしっかり受ける。

 二校時だけだからそれほど大変じゃなかったし、楽しかった事もあってかそれほど疲れは感じなかった。

 ……でも、さっきの暁槻君、いつもとちょっと違うような気がした。

 何かが滲んでいるような視線を拓海先輩に鋭く向けていたし……その何かは、私には分からないけれど。