私の日常は、平凡なもの。

 特に秀でたところも、趣味もない冴えない私。

 勉強も運動も、そこそこで目立たない。

 もちろん、恋とは無縁。

 ……だから、これから起こる怒涛の日々を考える事なんてなかった。



 私の名前は京都咲桜(みやこさくら)。ごく普通の高校一年生。

 趣味も特技も、これと言ってない平凡女子。

 好きなものは本と可愛いもの。特に猫とか犬とかが大好き。

「行ってきます。」

 返事がないのは分かっているのに、ついそう言ってしまう。

 ……そうだった。私、一人暮らししてるんだった。

 言ってからその事に気付き、鍵を閉めた事を確認して学校へと歩を進める。

 憂鬱だなぁ……そう考えるのも、もう何度目なのか忘れた。

 学校に行くのは、あんまり気が進まない。というか、できるなら行きたくはない。

 別に、これといった理由はないけれど。

「にゃおーん。」

 あ、猫……。

 通学路を歩いていると、突然飛び出してきた猫に驚く。

 びっくりした……急に出てきたら、心臓に悪い……。