帰ってきてから?

えっ、私、またここに帰ってくるってこと?

「あのう、私、今日は帰ります」

「どこに帰るんだよ」

「どこって」

「女と一緒にいる男の元に帰るのか」

「ホテルに泊まるとか……」

「社長命令だ、その部屋空いてるんだから、ここに帰ってこい」

龍斗は強引にまどかにそう告げた。

車で龍斗とまどかは会社に向かった。

一日が慌ただしく過ぎた。

「まどか、終わったか」

「はい」

「飯食って帰ろうぜ」

まどかは龍斗の言われる通りに行動するしかすべはなかった。

「早く乗れ」

「あのう、これは社長のプライベートの車ですか」

「ああ、俺が運転する」

「大丈夫ですか」

「おい、それどう言う意味だ」

「社長が運転しているところ、見たことがないんですもん」

「これから、休みは二人でドライブ行くか」

まどかは龍斗の言っている意味がわからなかった。

休みに二人でドライブって、恋人同士じゃあるまいし……

「まどか、飯は何食べたい?」